生きづらさを解消するための技術

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わたしがストラテラを飲まなかった理由

わたしが 「ストラテラ」 を飲まなかった理由

ADHD治療薬「ストラテラ」に希望を抱いて精神科への通院を決意した志音(筆者)念願の処方をいただくも、一方的に断念します。その理由とは・・・

                            

私は、薬物療法について思い違いをしていたことに気づきました。そして最終的には、職場で契約している産業医の先生にもアドバイスを求め、薬物療法を断念することにしました。そして、最後に産業医の先生から「わたしの人生を変える一言」をいただきます。 

私がストラテラを飲まなかった理由は3つです。

1.薬ですべての問題が解決するわけではない

2.副作用のリスク

3.症状が重度ではなかった

 

1.薬ですべての問題が解決するわけではない 

ADHD薬物療法で大切なことは、ただ飲めばいいということではなく、飲むことでこれまで出来なかったことが出来るようになり、その経験をすることで、自身の行動改善に結びつくことを期待されているものだということを知りました。

ストラテラを飲めば、すべての問題が解決するのかというとそうことではないのです。  ある服用経験者の方は、薬を飲んでいる間は、効果があっても、服用を中断すると元の状態に戻ってしまうということをブログの中で書いていらっしゃいました。

 

ストラテラを悪者にするつもりはありません。

 

実際に、行動が改善した事例があり、必要とする方がいるからこそ、世に送り出されたのだと思います。これがあるから、毎日助かっているという方が大勢いると思うのです。

 しかし、私は今回の経験をとおして、たとえ薬を飲んだとしても、薬はサポートするものであって、行動を変えるには、自分の努力が必要なのだということを知りました。 

 

2. 副作用のリスク

事前にいろいろな情報を見ていたのですが、副作用が怖くなってしまったというのが本音です。 これについては私のこれまでの体験が影響しています。胃腸が弱く、ただでさえ、眠気を感じやすい自分の身体にさらにストラテラの影響が加わることで、仕事にマイナスの影響が出るかもしれない。という不安がありました。

 

  参考までに、ストラテラの副作用については次のようなものが紹介されています。 

・頭痛、眠気、不眠、立ちくらみ、めまい

・怒りっぽい、攻撃的、敵意の発現または悪化

・動悸、頻脈、心拍数増加、血圧上昇

・排尿困難、勃起不全、多汗症、味覚異常

・体重減少、成長遅延  など

 

 もちろん、個人差があるので飲んでみなければわからないことなのですが、いろいろな情報を見ていくうちに、 「薬を飲むことで、自分の良さまで失われてしまうのでは・・・」と直観的に思うようになりました。

  ストラテラの効果と、副作用によるパフォーマンスの低下を天秤にかけて飲まない道を選択したのです。

 

3. 産業医のアドバイス 

機会を改めて、書きたいのですが、会社の産業医の方からセカンドオピニオンを受けました。その先生は、ADHDに対する認識を変える重要なメッセージを与えてくれました。 

  「ADHDタイプの人は、人類にとって必要な人たちなのです。」

(涙が出るくらいうれしい一言でした)

 

ADHDは、人類が狩りをしていた時代から、人類が危機的な状況に陥ったときに、リーダーとして活躍できるタイプであること。ときに大胆な行動をとり、周囲を驚かせることがあります・・・。など ADHDタイプの長所について教えていただきました。

 職業では、救急救命士や、弁護士やマスコミ関係に多いこと。お医者さんの仲間にもADHDの方が多く、ジムに通って汗を流し、脳を活性化させることで仕事がうまくいくようになった方もいるということも教えてくださいました。

 そして、私のこれまでの体験を聞きながら、「あなたはグレーゾーンにいるので、投薬の必要はないでしょう。それよりも運動することをおすすめします!」 とおっしゃっていただいたのです。

 この話を聞くまで、ひょっとしたら、職場にはもう自分の「居場所」はないかもしれない。と思っていましたが、そんな不安を抱えていた自分にも社会で活躍できる「居場所」はあるのだ。と安心したのを覚えています。

 こうして、薬物療法を自らの意識で断念したわけですが、これですべてが解決したのかというと決してそうではありません。一時的に自尊心を取り戻すものの、職場ではこの後もいろいろなトラブルを経験し、決して平坦な道ではなかったのでした。(つづく)

 

追記

私はADHDタイプとして、どのように生き、自分を輝かせることができるか。そして、どうしたらADHD特有の弱さを克服し、快適なADHDライフを送れるのかということを追求しています。この記事が少しでも誰かの役に立てたのであれば幸いです。